古(いにしえ )の時代から世界の魔術師に愛用されてきた黒魔術。
なんとなく悪い魔術というイメージを持っている人も多いかと思いますが、その実態を知る人は多くありません。
このページではそんなそもそも黒魔術とは何なのか?という根本的な部分を見ていきましょう。
黒魔術とは何か?
黒魔術とは、邪悪な魔術のことです。
自分の願望を叶えるために人の不幸を願ったり、自分の都合で天候を変化させ多数の人に迷惑をかけるような邪悪な魔術はすべて黒魔術に該当します。
また、悪魔や悪霊などを呼び出す儀式そのものも黒魔術と分類されます。
黒魔術の反対語に白魔術というものもあります。
そちらについては『黒魔術と白魔術の違い』にて解説していますので、併せて御覧ください。
黒魔術の歴史
世界の書物の中で黒魔術が登場してきていますが、いつから始まったのかという明確な起源は解明されていません。
ただし、現在のように行きたいところに自由に行けるような交通環境が整っていない時代から、世界各国でそれぞれの地域特有の黒魔術が使われてきたことは数々の書物で証明されています。
この黒魔術の館では、そんな世界の黒魔術もたくさん紹介しています。
黒魔術の中には残酷な儀式なども少なくありませんが、それでも黒魔術は太古の昔から現在に至るまで無くなることはありませんでした。
それは、いつの時代も人々の心から悪意がなくならなかったからです。
今でもニュースを見れば分かるように、毎日毎日犯罪は絶えません。
それと同じように、黒魔術も太古の時代からなくなることは無かったのです。
黒魔術は男性よりも女性が活用してきた
全ての魔術師が女性ということは決してありませんが、過去の歴史を辿ると男性よりも女性のほうが黒魔術を利用してきたことがわかります。
その理由は、男性は武力で争うが女性は武力で争うことができなかったためです。
宮廷内での女性同士での権力争いを見ても明らかですが、武力で標的を鎮めるようなことは女性の世界ではありえません。
では、憎らしい標的が現れたときどうするのか?
そんなときに黒魔術が用いられてきたのです。
黒魔術の基本法則
黒魔術でも白魔術でも2つの基本法則から成り立ち、その基本法則は今も昔も全く代わっていません。
類似の法則(類感魔術)
まず1つ目の法則、「類似の法則」からご紹介しましょう。
「類似の法則」とは、類似したものは類似したものにも影響を与えるという考えのもと行われる黒魔術です。
呪いの藁人形を思い浮かべていただくと分かりやすいでしょう。
標的に似せた藁人形を作り、その藁人形を釘で刺す。
そうすると、標的にも同じ苦しみ・痛みが伝わるというものです。
つまり、標的と藁人形は類似しているため、類似している2つのものは繋がっていると考えられているのです。
感染の法則(感染魔術)
2つ目の法則は「感染の法則」です。
感染の法則とは、1つのものから分離したものに影響を与えると元の本体にも影響を与えるという考えのもと行われる黒魔術です。
標的の髪の毛や爪を用いて行う黒魔術をイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。
かつては標的の一部だったものを手に入れ、それを用いて黒魔術を行えば、標的にも影響が及ぶと考えられています。
髪の毛や爪など、かつては人体の一部だったものが重要な呪術とされている点は世界各国どの地域でも同じです。
共感の法則(共感魔術)
第三の法則に「共感の法則」というものがあります。
黒魔術の基本法則は、先に紹介した「類似の法則」と「感染の法則」から成り立ちますが、「共感の法則」は「類似の法則」と「感染の法則」を掛け合わせたものです。
- 共感の法則(共感魔術)=類似の法則(類感魔術)×感染の法則(感染魔術)
共感の法則については、20世紀初頭にジェームズ・フレイザーによって書かれた『金枝篇』が大変参考になります。
本書は英語ですが、近年翻訳されたものも発売されたので1冊ぐらいは持っておいたほうがいいでしょう。
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