透明人間になる術とは
数多くある黒魔術の中でも特に人気が高いのが、この透明人間になる魔術です。
透明人間とはその名の通り、肉体が透明で誰の目にも見えない状態の人間のことです。
人はどういうときに透明人間になりたいと望むのでしょう。
透明人間になれば誰にも見られることなく、普段なら入ることのできないような場所に入ったり、好意を抱く相手に近づいたりできます。
そのため、盗みを働いたり異性にわいせつな行為をしたりという、社会の規範に反する行為を行う目的で透明人間になることを望むというのは決して珍しいことではありません。
透明人間になる術は、このような少し不埒な願望を叶えるためのとっておきの手段、すなわち黒魔術の一種と言えるでしょう。
透明人間になる術の研究は中世から近世にかけてのヨーロッパで盛んに行われ、世界的に有名な魔導書である「ソロモン王の鍵」においても、透明人間になる術が紹介されています。
透明人間になる方法―ソロモン王の鍵よりー
どうすれば透明人間になれるのでしょうか。
透明マントのような魔法の道具を使わずとも透明人間になる方法があります。
魔導書「ソロモン王の鍵」に記された方法は以下の通りです。
【用意するもの】
- 蝋人形
- 針
- 生きたカエル
この魔術は、占術における土星の日に行います。
1月の土星の日と時間に、王冠をかぶった男性のかたちを模した蝋人形を準備します。
蝋人形の王冠部分に、針でとある特別な魔術記号を刻み込みます。
次に、自分の手で捕まえたカエルを自分の手で殺して皮を剥ぎます。
剥いだ皮にはまた別の魔術記号を刻み込みます。
準備ができたら、それらを持って誰にも見られないように注意して洞窟へ向かいます。
夜中の12時に、自分の髪の毛を使って蝋人形を洞窟の天井から吊るし、その下でろうそくに火をつけます。
そして蝋人形に向かって以下の魔法の呪文を唱えるのです。
ろうそくが燃え尽きたら蝋人形を天井から外し、カエルの皮と一緒に誰にも見つからないように地面に埋めます。
そして透明人間になるべきときがきたら、地面から蝋人形を掘り起こし左胸のポケットに入れ、次の呪文を唱えます。
するとまたたく間に姿が透明になり、誰にも見られることなく動くことができると言われています。
透明な姿で目的を達成したあとは、再び蝋人形を地面に埋めるのです。
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