名前の黒魔術とは
物の名前というのは、その物の本質・性質を表すと言われています。
人間の名前も同じように、名前はその人の魂の本質であると考えられています。
標的の名前を使って呪いをかける方法を「名前の黒魔術」と言います。
「名は体を表す」という諺があることから分かるように、黒魔術の盛んな諸外国だけでなく、日本において名前というのは重要な意味を持っています。
よって、これは日本人向けの黒魔術とも言えるでしょう。
名前の黒魔術のやり方
名前を使った黒魔術は世界中で行われています。
日本の場合
日本の黒魔術というと、藁人形を思い浮かべる人も少なくないのではないでしょうか。
日本には古くから、丑の刻(午前1時〜午前3時)に神社の御神木に呪いたい標的に見立てた藁人形を五寸釘で打ち込む「丑の刻参り」という呪いの方法があります。
この時に使用する藁人形に、標的の名前を書いた紙を貼り付けるのです。
名前を貼ることで藁人形に標的の魂が宿り、標的によりいっそうの苦しみを与えることができます。
古代ギリシャの場合
古代ギリシャでも名前を使った黒魔術が行われてきました。
恨みに思う気持ちを強く念じながら木片に標的の名前を彫り、その木片を墓場の土に埋めるのです。
木片には名前とともに標的の魂も憑依するため、魂を地中に封じこむことで標的を病気にし、死ぬまで苦しめることができます。
また名前を書いた木片に釘を打ち込めば、釘を打つたびに標的の身体には激痛が走り、終わりのない痛みに悶苦しむこととなります。
名前の黒魔術に関する習慣
名前というのは、古くから様々な地域で特別なものとされてきました。
多くの人々が、自分に恨みを感じている相手に名前を知られると、それを利用して黒魔術にかけられてしまうということを恐れたのです。
そこから名前に関する習慣がかつて世界各地で生まれました。
インドの場合
インドの一部の地域では、生まれた子どもは2つの名前を授かります。
1つの名前は両親だけが知っていて結婚などの特別な儀式のときだけ使い、普段はもう1つの名前で生活をしていたのです。
2つの名前を合わせることで完全な名前となるため、一方の名前しか知らない他人に黒魔術をかけられるのを避けることができました。
エジプトの場合
古代のエジプトでも、生まれた子どもは本名の他に第二の名前を授かりました。
本名は両親など信頼できる一部の人しか知りません。
名前の黒魔術をかけられないよう、日常生活は第二の名前で過ごし、本名は隠し通したのです。
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