衣類の黒魔術とは
すべての人にとってなくてはならないものであり、必ず身に着けているもの、それは衣類です。
衣類にはその人の汗や体臭だけでなく、感情から生活習慣に至るまで、持ち主のすべてが染み込んでいます。
持ち主の分身とも言えるこの衣類を用いてターゲットを苦しめるのが、「衣類の黒魔術」です。
衣類の黒魔術のやり方
衣類の黒魔術は何百年も昔から、世界各地で行われてきました。
地域によってやり方に若干の違いはありますが、比較的手軽に行える方法であるため、このように世界中に広まったのです。
バヌアツ共和国の場合
南太平洋に浮かぶバヌアツ共和国には、「人を呪いたくば、ターゲットが身につけているものを何かひとつ手に入れろ」という教えがあります。
人を深く憎み、この気持ちをどうにか晴らしたい、どうにかその人を苦しめたいと思ったら、まずはターゲットの普段着用している衣類を手に入れます。
そして鋭く尖った木の枝でその衣類を何度も何度も突き刺します。
その時にターゲットの顔をしっかりと思い浮かべるのがポイントです。
衣類全体を突き刺したら、その棒に衣類を巻きつけ、油をふりかけて火を放ちます。
ターゲットの衣類はたちまち炎に包まれ、それと同時にターゲット自身にもその苦しみが伝わるというわけです。
衣類が跡形もなく完全に燃え尽きれば、ターゲットは死に至ると言われています。
オーストラリアの場合
オーストラリアの先住民族は、ターゲットが直接身につけていた衣類だけでなく、ターゲットが日常的に触れていた布団や敷物で同様の黒魔術を行っていました。
ターゲットの顔を思い浮かべながら、その布団や敷物を棒で叩いて痛めつけたり火を放ちます。
そうすると、布団や敷物に与えた痛みや苦しみがターゲットにも伝わり、不治の病を患うのです。
ターゲットの顔を思い浮かべながら行うため、ターゲット以外の人に影響を及ぼす恐れがありません。
日常的に触れていた物が何かひとつでも手に入れば、遠くにいながらにして、直接ターゲットに手を下すことなく苦しめ、傷つけることができるのです。
プロイセンの場合
プロイセンでは泥棒への復讐のためにこの衣類の黒魔術が使われてきました。
泥棒に入られた家主は、アクセサリーや靴など、何か泥棒が身につけていた物が落ちてないか血眼になって探します。
落とし物を見つけたら、呪文を唱えながら火で炙ります。
泥棒という、顔も知らない標的であっても呪うことができるのです。
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