霊魂を捕まえる黒魔術とは
人間は、肉体と霊魂というふたつの要素から成り立っています。
肉体とは言わば器のようなもので、人間の本質は霊魂にあると考えられています。
霊魂が肉体を支配し動かしており、死後に肉体が動かなくなったあとも霊魂だけは存在し続けるのです。
恨みに思う標的の霊魂を捕らえ傷つければ、ターゲットの肉体へもダメージを与えることができます。
それが「霊魂を捕まえる黒魔術」なのです。
霊魂を捕まえる黒魔術のやり方
黒魔術の世界では、人は霊魂を他人に捕らえられるだけで病気になると言われています。
霊魂を捕まえる方法は、地域や時代によって様々な説があります。
代表的な方法をご紹介します。
アフリカ西部の場合
この地域では、人が眠っている間は肉体から霊魂が離れた状態にあると考えられています。
眠っているターゲットの頭上に、袋状になった布を掲げることで霊魂を捕らえることができます。
そして霊魂を捕えた袋状の布ごと、火で炙るのです。
霊魂に与えた痛みや苦しみは肉体へと伝わります。
霊魂を取られたターゲットは、眠ったまま終わりのない激痛と戦うのです。
これを利用して、霊魂の持ち主の家族からお金を巻き上げることを生業としていた黒魔術師も存在します。
苦しみ続ける姿を見ることに耐えきれなくなった家族が、霊魂を奪った黒魔術師にお金を積み、霊魂を返すよう懇願するのです。
プカプカ島の場合
南太平洋に浮かぶ孤島プカプカ島では、人は病気になると肉体から霊魂が離れると考えられています。
恨みに思うターゲットが病気になったら、チャンスとばかりにその霊魂を狙うのです。
ターゲットの霊魂は、野生の鳥や蝶などの姿でターゲットの家の周辺を浮遊しています。
罠を用いてそれらを捕まえることで、ターゲットの霊魂を自分の手中に収めることができるのです。
霊魂を捕まえられたターゲットの病気は、さらに悪化の一途をたどります。
そして霊魂を傷つければ傷つけるだけ、肉体もさらに弱っていき、最後には死が待ち構えているのです。
フィジーの場合
フィジーではかつて、罪人の取り調べにこの黒魔術が使われていました。
なかなか罪を認めようとしない罪人に対し、部族の長がこう言うのです。
魂に問うとはつまり、黒魔術を用いて霊魂を取り出すということです。
霊魂を捕らえられれば、たちまち病気となりやがて死に至ります。
霊魂を捕らえられることを恐れた罪人は、すべてを白状してしまうのです。
コメント