ヨーロッパの植物性媚薬とは
媚薬と聞くと、性欲を高める効果のある薬をイメージする方が多いのではないでしょうか。
世界各国、特にヨーロッパ地方では、古くから媚薬の研究が行われてきました。
媚薬は性欲を高めるだけではなく、自分に好意をもたせるなど、標的の恋愛感情を操るためにも用いられます。
そのため媚薬は別名、「惚れ薬」や「愛の妙薬」とも言われています。
一般的に媚薬の材料として使われることが多いのが植物であり、植物を使った媚薬を「植物性媚薬」と呼びます。
植物性媚薬の材料
植物性媚薬に使われる植物は野菜・果物・草花など多岐にわたります。
時代や地域、宗教的思想によっても異なりますが、タマネギやニンニク、カカオといったいわゆる刺激物や嗜好品が使われることが多かったと言われています。
古来より植物性媚薬の材料として使われてきた植物をご紹介します。
- マンドラゴラ
- ジャスミン
- 南天
- トリカブト
- パクチー
- サフラン
- オレンジ
- りんご
- ザクロ
- 月桂樹
植物性媚薬の使用方法
植物性媚薬に使う植物は実に多岐にわたりますが、その使用方法はとても簡単なものが多いです。
具体的には、その植物を標的の食べ物や飲み物に混ぜる、身体に塗る、持ち物に忍ばせる、家の周りに撒くなどといった方法があります。
中でも、効果が非常に強力なため多く用いられる方法が、その植物を標的に食べさせたり飲ませたりして体内に取り込むという方法です。
パクチーを使った植物性媚薬
パクチー(コリアンダー)は料理だけでなく魔術においても多く利用された記録が残っています。
特に恋愛に関する魔術で重宝され、パクチーは別名「幸運のスパイス」と呼ばれています。
魔術においては、主にパクチーの葉ではなく種を使います。
- 標的の名前の文字数と同じだけ種を用意する
- 標的の名前を唱えながらすり鉢ですり潰す
- 標的が自分に好意をもつことを思い浮かべながら、蒸留水を混ぜる
- すり潰した種が水に沈みきったら、その上澄みをすくい取る
- 標的の飲み物や食べ物に混ぜて、体内に取り込ませる
りんごを使った植物性媚薬
植物性媚薬の代表といえるのは、誘惑のシンボル「りんご」でしょう。
旧約聖書において、禁断の果実を食べたアダムとイブは性に目覚め楽園を追放されてしまいます。
ヨーロッパでは、この禁断の果実はりんごであるという説が有力です。
そのため古くからりんごは、恋愛感情を呼び起こしたり性的興奮を高めたりする効果があると考えられています。
標的が自分に恋心を抱いてくれることを願いながら食べさせることで、標的の感情をコントロールすることができるかもしれません。
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