不妊魔法とは
標的の生殖能力を奪い性交渉ができない身体にするという不妊魔法は、古くから世界中で行われてきた黒魔術です。
この魔術をかけられた標的は、男性の場合は勃起不全や射精不能となり、女性は膣の入り口が閉じてしまうと言われています。
性交渉ができないということは、子どもを授かることができないということです。
特に子どもは労働の担い手であると考えられていた時代では、子どもを授かれないということは夫婦間のみならずその一族にとっても死活問題だったのです。
不妊魔法の目的
不妊魔法は以下のような目的で行われてきました。
自分が配偶者と離婚したい
中世のヨーロッパの結婚は、その多くが政略結婚です。
貴族の間では産まれる前から婚約者が決まっていたり、幼いうちに婚姻関係を結ぶということも珍しくありませんでした。
一般庶民の間でも、恋愛結婚はごく稀であったと言われています。
しかも宗教的な理由もあり、離婚は原則として禁止だったのです。
しかし、性交渉不能という理由の離婚は認められていました。
そのため望まない結婚をした人が、自分の配偶者に不妊魔法をかけることで性交渉できなくし、婚姻関係を解消させたのです。
標的を離婚させたい
愛する人に配偶者がいるから離婚させたい。
愛する人が自分以外の人と性交渉するのが許せない。
そのようなときに、不妊魔法が使えます。
標的は愛する人自身かその配偶者のどちらか一方、または両方です。
夫婦間での性交渉ができなくしてしまえば夫婦関係は冷めきり、その夫婦が離婚するのも時間の問題となるでしょう。
離婚が原則的に認められていなかった時代でも、性交渉不能による離婚は認められていました。
そのため不妊魔法をかけることで、愛する人を配偶者と離婚させて自分のものにすることが可能だったのです。
不妊魔法のやり方
不妊魔法をのやり方はいくつかありますが、その多くがとても簡単に行えるものです。
結び目の魔術
糸やリボンなど紐状のものがあれば簡単に行える黒魔術です。
紐に結び目を作り、それを標的のベッドシーツの下や枕の中に入れるだけです。
これだけで標的は性交渉ができない身体になってしまうのです。
紐の結び方は何通りかあり、標的だけ性交渉不能にするのか、標的とその配偶者の両方を性交渉不能にするのかで結び方を使い分けます。
結び目を解くと魔術も解けます。
錠の魔術
南京錠などの錠も不妊魔法に使われました。
錠前と鍵を用意し、標的のことを思い浮かべながら錠を閉じます。
そして錠前と鍵を別々の場所に隠すのです。
そうすると標的は性交渉不能な状態となり、この魔術を解くには錠前と鍵を見つけ出さなければなりません。
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